episode #003 幸せの真ん中に美味しいごはん

役者を卒業し
裏方に回っていた頃のこと。。

舞台で活躍していた友人たちが
栄養管理がちゃんとできていなくて
体を壊したり 体調悪くてしんどい思いをしているのを見るに見かねて

「ごはん食べにおいで!」

というお節介をしていたなぁと時々思いを馳せる、、

毎日 飲み屋で唐揚げとビール、、大したごはんも食べずに
舞台に立つなんてアホかいな、と、いてもたってもいられなくて

役者はスポーツマン並みにちゃんと栄養体調管理しないと!ダメじゃん!
すごくパワーも体力も必要だし、自分をコントロールすることが商売なんだから。。。
なんて偉そうにお説教たれることもあり。

役者はもともと組織の中で生きてくことが苦手で精神的にとても繊細な人が多い。。
舞台に立つことでそのストレスを発散しているとも言えるけれど
トラブルも多いし人間関係も含めてストレスも半端ない世界だ。
そんな中で私自身は 表に立つ才能はないと見切りをつけて
舞台を降りた。だから
自分にできるのはこんなことくらいしかないんだけどーと思いつつ。
 
私は料理は得意な方じゃないから
あんまり凝ったものは出せなかったけど
とにかく野菜たっぷりのあったかいごはんを食べてもらって、
「あー少し元気になった気がするー」と言って
笑顔になってくれることが嬉しかったっけ。

ちょっぴり思いこみ使命感もあったかな。。
才能ある人を私が支えなきゃ、みたいな。。。 
ああ。。今思うとなんと恥ずかしいこっちゃ。

その頃 ぼんやりと
いつか
「幸せの真ん中に美味しいごはん」
ていう名前のお店をやりたいなぁなんて
漠然と妄想していた。

お母さんが作ってくれるみたいなあったかいごはんをゆっくり食べられる店。

その後、気づけば 大戸屋をはじめとした
大小様々なそういう感じのお店が世の中にたくさんできたので
わたしがやんなくてもいっか、
と自分勝手な引退?を表明したのだけれど

結婚式の仕事をするようになってから
改めて「食べること」そのものが一番のおもてなしの真ん中にあると
時々その頃のことを思い出す。

だから、お食事そのものを 楽しんで食べてもらうために
食べることに意識をちゃんと向けられるような時間と心のゆとりを持てるように
プロデュースプランはかなりのパワーをそこに注ぐ。

オマール海老とかフォワグラとかローストビーフとかの高級なお食事を出すという意味ではない。

素朴でシンプルで、ちゃんと心がこもって作られたものには 「味わいと旨味」がある。
本当の美味しさというのは 食べて欲しいゲストへの
作り手の思いが乗っかっているものだと思うし
美味しく食べるためには 空間や環境やそこに関わる人の空気もすごく大切。

そもそも 食べること そのものは 本能だから
それだけで 幸せホルモンが分泌される仕組みになってるし

万国共通、生きとし生けるものは 食べることが 幸せのモト、幸せの真ん中にあるものなのだ

真ん中に美味しいごはんがあれば
幸せはそこにある

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